浅野孝夫先生 最終講義

Sotaro KARASAWA
@sotarok’s scribble
3 min readMar 2, 2019

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学部修士とお世話になった中央大学情報工学科で離散アルゴリズムやグラフ理論を研究されていた浅野先生の最終講義があったので、久々に母校のある後楽園に行ってきた。

中大高の卒業式も同日!

自分は浅野先生の研究室ではなかったので、学部時代の必修科目や演習でお世話になった先生なのだけど、卒業まで通して「情報工学の基礎」を教わった先生だったなぁという印象が強くあって、最終講義の連絡をうけてからすぐに行こうと思ったのだった。

最終講義

最終講義は、ご引退される際の最後の講義ということで、彼の研究者としての人生を振り返る形で行われた。得意な分野、好きなこと、学生時代の論文、修士、博士、講師、助教を経て教授になられるまでのアレコレ、ワンゲル部でやんちゃしていた頃の話、教授になってから力を入れていた海外研究者との関わりなどを聞かせてくれた。

また、そこで関わった先生の先生方、研究仲間、研究室の学生、論文の共著者、家族に対する様々な先生からの感謝の想い、愛を感じた。

若かりしころを語る際に時折見せる気恥ずかしそうな笑顔や、論文や成果についてを語る姿は、(非常に活動的で立派な方にもかかわらず)ものすごく謙虚で、人柄の伝わる素敵な時間だった。

人生に触れて人生を振り返る

自分は「研究」という道からは程遠いところで仕事をすることを決めてしまったが、ある意味、学部の頃の浅野先生の授業は、今の自分がソフトウェアエンジニアとして仕事をする上で、その知識の根底の方にしっかり残っていて、あの時に先生の授業を受けられてよかったなぁとしみじみ思った。(いや、ちゃんと残っているかというとそこまでの自信はないのだけど… というか加えて言うならば色々やってきた今、あの授業を受けたい … 笑)

そして、先生の姿の映り方が変わった、というのが自分に対する驚きの一つでもある。先生の授業を受けていたころ (大変失礼な話なのだが) あまり説明上手ではない印象も強かったが、あの頃の自分には、そういう表面的なものしか見えていなかったような気がする。

10年経って、自分もいろいろな人や状況を経験したことで、彼の非常に人間味のある部分に気づき、魅力に思えるようになったのかもしれない。

何にせよ、40年以上にものぼる研究生活である。継続し、成果を残し、人を育てるというのは、とにかくすごいことだし、そういう偉大さに触れるにつけて、自分がちっぽけになったような気持ちでもあった。

と、そんなひとりの人生を垣間見る事ができて、幸せな気持ちになる土曜日だった。

(教授時代は、研究以外にもやることがたくさんあって、これからはそういうものナシにやりたい研究をやりたい、と言う話もされていて、そういう人間味あふれる姿がまた非常に良いのであった)

先生 (一旦) お疲れ様でした。

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